CGが作る映像の世界

先日、BS朝日放送によって、イギリスのBBC放送が制作した恐竜についての特別番組が、二夜連続で
放映された。二億数千年前の古生代から数千万年前の新生代に至るまで、この地球上に生息した恐竜達
に関する番組だった。
一億数千万年という気の遠くなるほどの長期に亘って、陸、海、空に君臨した様々な恐竜達が、まるで現実
の生き物のように画面に登場し動き回っていた。全ての恐竜が、発掘調査を元に制作されたCGによる恐竜
であった。
かつて、この種の映画と言えば恐竜の模型をコマ取りしたものや、ゴジラの映画のように縫いぐるみの中に
人間が入ったものだった。それでも恐竜が、縦横無尽に闊歩する姿を見て子供心を躍らせたものだった。
特に日本は特撮という、この種の技術には長けていた。その中心となったのは、映画「ゴジラ」をこの世に
送り出した円谷プロだった。円谷プロは「ゴジラ」だけでなく、その後も特撮技術を駆使しモスラやキングギドラ
と言った多くの怪獣を世に送り出して来た。
しかし、特撮には限界があった。リアルさに欠ける事であった。現実味からは、ほど遠いものだった。それを
可能にして見せたのが、「ジュラシックパーク」だった。この映画では、あたかも本物の恐竜かと思うような各種
の恐竜達が画面に登場し、私達の目を楽しませてくれた。恐竜の雄叫び、鼻息、大地を揺るがす効果音などと
ともに、そのリアルさは観客の目を奪うに十分なものだった。
今日、SF映画でCGを使っていないものはない位、CGの使用は当たり前の事になった。CGが作り出す各種
の場面は、現実のものと空想のものとの境をなくしてしまった感がある。スターウオーズの最近作「クローンの
逆襲」、ジュラシックパークに続く「ロストワールド」、マトリックス三部作等々、数々のハリウッド作品の多くは
CGを駆使したものである。
イギリスのBBC放送が制作したこの番組は、あくまで、学術的見地に基づいて作られたものであった。従って、
ストーリー性のようなものはなかったが、その代わり、恐竜の動きには、今日、地球上に生息する動物達の動き
から推定したと思われるものが、たくさん取り入れられていた。また、恐竜達の骨格は残っていても恐竜たちの
体を覆っていた皮膚は残っていない。体の色や形は推測をするしかない。動物界では、獲物を捕まえる時、
又は、自分の身を敵から守る時、保護色は非常に大切な機能だ。そんな事も参考にしたのではないかと
思われるような色や形をしていた。全ては学術的な推敲を重ねて制作されたものではないだろうか。大変、
良く出来た番組であった。
ともかく恐竜好きには見逃せない番組であった。今後は、更に改良を加えて、是非ともデジタルハイビジョン
で制作したものを作って貰えればと思っている。そうなれば画質は向上し、リアル感が増すに違いないので
ある。そう考えるのは、私のような恐竜ファンだけではないだろう。そして、恐竜映画ばかりでなく、色んな映画
にCGで作ったものが、取り込まれていくのではないだろうか。
最近作に篠田正浩監督がメガホンをとった「スパイ・ゾルゲ」がある。この映画はCG画像と合成をするため
デジタルハイビジョンカメラで撮影されたと聞いている。従来であればセットを組み、そのセットを背景に撮影
していたものを、デジタルハイビジョンカメラで撮影し、CGとコンピュータで合成したようだ。SF映画だけでなく、
一般の映画にもCG画像が積極的に取り入れられ始めたのである。まさにCG画像の世紀が、すぐそこまで
来ていると言っても過言ではないだろう。
すでにゲームソフトの分野では早くからCGが取り入れられている。ヒット作にはならなかったけれど、ゲーム
ソフトのヒット商品を映画化した「ファイナルファンタジー」等も素晴らしく完成度の高いCGではないだろうか。
登場人物の顔の表情だけは生身の人間には及ばないけれど、CGでなければ作れないような場面もたくさん
あって大変面白かった。
2004年1月16日掲載
CGとは
CG画像と言うべきなのか、単にCGで良いのか良く分からないが、調べてみると次のように書かれていました。
「コンピュータを使って画像を処理、生成する技術、また、そのような技術を用いて作成された画像」とあります
から、わざわざCG画像などと言う必要はないのかも知れません。
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