
腐りきった外務省外務省
この原稿は掲載するタイミングを逸してしまいお蔵入りになろうとしていました。それというのも最近、原稿が追い
つかないほど政治に関する事件や話題が多く、また変化が激しすぎるのです。
やっと鈴木宗男氏と外務省に関する報道が下火になってきたと思っていましたところ、今回の中国の瀋陽における
北朝鮮からの亡命者騒ぎです。その際、日本総領事館の対応のまずさは一部始終ビデオに撮られており、世界中に
流されてしまいました。
そして、元外務官僚の逮捕というニュースです。矢継ぎ早に出てくる事件の全ては外務省の体質に根ざした事件
ばかりのような気がしてなりません。そもそも外務省とはどんなところなのでしょうか。と言うよりは外務省にいる人達は
どんな人達なのでしょうか。事件の多くはここに勤務している人達自身から生じた問題であることは間違いありません。
鈴木宗男氏の事件に関しては、自分たちの方に被害が及ぶと見るや、田中真紀子外相時代には、その省のトップの
田中氏にさえ見せなかったような内部文書を矢継ぎ早に出して来ました。このような変わり身の早い外務省の態度を
どう解釈すれば良いのでしょうか。あの海千山千の鈴木宗男氏をして悔し涙を流させるなど、官僚のしたたかさを
思い切り見させられた一連の経緯でした。それにしても良くもまあ、これだけの事件を隠し続けたものだと思います。
今回の鈴木問題がなければ永久に闇から闇へと葬り去られたに違いない事ばかりです。
権力には弱く、その権力が失墜したと見るや、手のひらを返すような身の軽さは、時代劇に出てくる悪代官そのままの
姿です。
長い間、権力の中枢であった自民党と官僚の癒着の根は底を伺い知ることの出来ないほど深いようです。この部分を
質さない限り、日本の構造的に腐りきった行政改革にはならないのではないでしょうか。これは一人外務省だけの事では
ないようです。警察機構や厚生省なども何度も不祥事を起こしながら、決して自らの非を改めようとしなかった各省庁の
体質そのものであるような気がします。その官僚機構によって立つ自民党、その自民党を上手に使い、自らの地位と
権益をほしいままに温存してきた官僚機構、その罪ははかり知れず大きく重いように思います。
この際、徹底的に組織そのものを解体し、ゼロからの出発でなければ容易に改まることはないのではないでしょうか。
そうして小さい政府にしてしまう事が必要です。中央省庁の権限を制限し、その裏付けとなる予算を削減することこそ
今直ちに行うべき事だと思います。地方分権と口では言いながら、その内実は多くの権限と予算を一手に握り、思う
ように地方を牛耳ってきたのは中央官庁です。そして、その手先になってきたのは他ならぬ政府自民党だったのでは
なかったのでしょうか。その一点さえ改めれば、日本の未曾有の危機も救われ、随分と風通しの良い国になるはず
だと思うのです。
2002年5月19日掲載
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