釣り紀行 その4

1999.12.16掲載
2月上旬の大潮の朝、一番潮が引いている時間を見計らって家を出ます。行き先は王子ヶ岳の下の海岸です。
目的はかに釣り。仕掛けは簡単です。餌になるサンマを金網に入れ、ひもでほどけないように固く結びます。それを
短い竿の先につけます。竿の先から餌までの長さは1メートルくらい。余り長くしない方が良いようです。
餌が浮き上がらないように少し大きめのおもりをつけておきます。波打ち際につけてしばらくしていますと、紐が少し
引っ張られ始めます。頃合いを見て、そっと持ち上げますと、かにが二三匹餌に取り付いています。
その下から、そっと網を入れすくい上げます。たったそれだけの簡単な方法です。面白いように次々にかかります。
ほとんどは藻がにと言われている種類です。ワタリがにの場合には、こんな方法ではとれないのかも知れません。
余談になりますが、ワタリがにの場合は、船の上からかにかごを下ろして取ったことがあります。その時も面白いほど
たくさんとれました。餌はやはりサンマでした。もちろんサンマでなくてもイワシでも良いと思います。ワタリがにも最近、
めっきり少なくなったと言います。
沖の方では胴長と言われている胸まである長靴を履いた人が強力なライトで足下を照らしながら、何か漁をしています。
冬の朝は寒いです。防寒着を着ていても足下から寒さが上がってきます。手もかじかんで、真っ赤です。
吐く息がキャップランプの光の中で白く光っています。漁は明け方近くまで続きます。その頃になるとバケツの中は
かにで一杯になります。水平線が少しずつ明るくなり始めました。沖の方では朝の早い漁船の行き交う音がしています。
かには晩酌の肴です。湯がいておいて晩に食べます。冬のかにの味は最高です。かにが少し小さいので食べる時は
甲羅とえらの部分だけを取り除いて、そのまま三杯酢につけて食べます。すこし口当たりは悪いようですが、横着者
にはこれが一番です。
また、甲羅とえらを取り除いたら、そのまま唐揚げにしても結構いけます。
海岸近くに住んでいるとこんな海の幸にも恵まれており、本当に感謝しています。
私は昼間にかに釣りをしたことはないのですが、昼間でも防波堤などの石垣では結構釣れるそうです。
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