国際化する犯罪

毎年、犯罪がうなぎ登りに増えていると言われています。原因は景気が悪い事と無関係ではないと思いますが、
それだけでしょうか。背景にあるのは人を殺すとか、傷つける事を何とも思わなくなった社会的風潮も無関係では
ないように思われます。もちろん私達自身のモラルの低下もあると思います。
犯罪が増えると共に犯罪の検挙率も低下しているそうです。検挙率の低下は犯罪の増加に、微妙に影を落として
いるのではないでしょうか。これまでの日本は比較的犯罪も少なく、検挙率も世界一だと言われてきました。検挙率
の良さが犯罪の多発を抑制してきたとも言えるわけです。特に凶悪犯の検挙率の低下は大きな問題です。
世田谷一家の惨殺事件は未だに犯人像すら定かではありません。福岡の一家惨殺事件は犯人の一人と目されて
いる人物が中国から来た留学生だと言われています。死体が見つかった四日後に急いで日本を出ています。今、
中国の警察が捜査しているようですが、まだ足取りが掴めていません。
このように外国人による犯罪も増えています。先日、総社では、コンビニにブラジル人兄弟が強盗に入ったという
ニュースが報じられていました。麻薬の販売にも多くの外国人が関わっているとも言います。新宿歌舞伎町の雑居
ビルの火災も、その後の催涙ガスによる嫌がらせ事件も、外国人と日本のヤクザとの抗争が背景にあるのでは
ないかとも言われています。いまや日本は犯罪までもが国際化しつつあるようです。
検挙や捜査の難しさは、犯行が日本人の発想と異なるところにあるからではないかと思っています。日本人なら
こういう手口は使っても、こういう事はしないだろうとか、犯行の動機にしても何となく想像は付きますが、歴史や
文化の異なる外国人の場合、日本人の捜査官には思いもつかないような事がたくさんあるのではないかと思って
います。
外国人の犯罪は一般的に大胆で発想の飛躍があるように感じます。手心を加えるとか情に流される事が少ない
ようです。最近ではスネークヘッド(蛇頭=中国からの密航者の手引きをしていると言われている)と言われる中国
の犯罪組織も日本に出入りしていると言われています。
中国経済が自由化傾向を強め、中国と日本の行き来が増えました。人の交流の面から考えると、韓国、中国、
台湾、その他、東南アジア全体が陸続きのようになっています。そんな状況から犯罪も急激に国際化しているように
思えます。
今や捜査網は日本国内だけではなく、広く海外にまで輪を広げて対応する必要があるのではないでしょうか。そう
しなければ検挙率は益々低下し、日本は犯罪の温床になりかねません。それこそブラジルのように二重、三重の扉
と鍵が必要になってしまうのではないでしょうか。
2003年8月17日掲載
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