恐竜百万年

私が独身だった頃の事ですからもう30年以上前の事になるでしょうか、恐竜百万年という映画がありました。それこそ
ジュラシックパークの主役であった恐竜達をぬいぐるみや人形のコマ取りで作った映画でした。従って、ぱらぱら漫画の
動きを見ているようで何となくぎこちない動きが恐竜らしさを現していて妙にリアルでした。
それはさておき今回アフリカのチャド共和国からは700万年前とも言われるような人類の化石が発見されました。今の
ところ類人猿と猿人が枝分かれした直後の化石ではないかと言われています。今までにも何度かこれ以上古い化石は
ないだろうと言われてきましたが、さすがに700万年とは驚くべき数字です。
恐竜100万年どころではありません。アフリカ大地溝帯による人類発生説にも一石を投ずるような発見です。従来、
類人猿と猿人が枝分かれする以前、共通の祖先は密林に住んでいたと言われています。しかし、アフリカ大陸の東の
端に大地溝帯が出来、この地溝帯を境にして東は密林のまま残り、西側は次第に乾燥しサバンナになったと言われて
います。そのためサバンナ側に取り残された猿は次第にサバンナの環境に適応するために二足歩行を始めたと言われ
ています。それが人類の祖先である猿人とチンパンジーやボノボ、ゴリラといった類人猿との進化の違いとなり、今日に
至ったと言われてきました。
しかし、地溝帯から遙か離れた地で化石が発見されたと言うことは何を意味しているのでしょうか。どうも私達の想像
とはかけ離れたプロセスがあるような気がしてなりません。現実には私達の乏しい想像力を遙かに越えた壮大な進化
のドラマがあったのではないでしょうか。
と同時に思うことは700万年という気の遠くなるような長い長い時間です。今日の爆発的とも思えるような人類の増加は
ほんの数万年前から始まったと言われています。それまでの数百万年と言うものは、ひたすら人類という完成されたもの
を作り出すための時間であったと言うことではないでしょうか。それ位の長い時間が進化の為には必要だったと言う事
ではないでしょうか。
正に今日の人類は気の遠くなるような時間の積み重ねによって徐々に作られていったのです。まだまだ予断を許さない
ような新しい発見がありそうな予感がします。今回の発見と今後の発見によって、どのような進化発展の過程が描き
出されるのか大変楽しみです。
閑話休題
先日の新聞には、恐竜が鳥類に進化したと思われるような発見があったという新聞記事が出ていました。今中国では
大規模な発掘が行われ、次々と新しい発見があります。仮説では恐竜は温血動物だったのではないかと言われてきま
したが、この発見が事実だとすれば、この仮説は本当の事だったと言うことになるのではないでしょうか。全ての恐竜が
そうであったかどうかは別にして、少なくとも進化の過程で劇的な変化が生じたに違いありません。日本の林原研究所
からもモンゴルの発掘調査に出かけています。今までは、どちらかというとアメリカ大陸での発掘調査が中心でしたが、
アジア大陸に於ける発掘がもっと進めば、恐竜についての更に多くの発見が期待されます。
折しも今、千葉県の幕張メッセでは恐竜博が開催されています。夏休みともあって大勢の人で賑わっていることと思い
ます。私も大阪で恐竜博が開かれた際、行きましたが、その巨大さに圧倒されたものでした。恐竜は大人も子供も多くの
夢を抱かせる存在です。
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