年金制度はどうなった

中途半端な議論のままに年金法案が国会を通過しようとしています。昨日(6月3日)の参議院の委員会
では、社民党や共産党の質問を残したまま与党から動議打ち切りの提案が出され強行採決が行われました。
今国会に於ける年金問題とはいったい何だったのでしょうか。結局、明らかになったのは、与野党を問わず
年金未払者が審議をしている国会議員の中にもたくさんいたことだけです。肝心な年金制度そのものを
どうするかという問題に関しては、何かしらおざなりな議論のままに終わってしまいました。実は、私達に
とって国会議員の年金未払いの問題等、どちらかというとどうでも良いことなのです。(小泉首相の過去の
年金問題すら明らかに出来ませんでした。=年金の未納や勤務実態のない会社に年金を支払わせていたこと)
すべては、上滑りの論議の中で重要な改革事項は先送りになってしまいました。社会保険庁の乱脈経営や
費用の浪費問題、何よりも膨大な積立金の行方論議はどうなったのでしょうか。すべてが明らかにされないまま
幕が下ろされようとしています。また、こうして私達の将来にとって大切な事が、みんなの脳裏から消え去って
いくのでしょうか。
私はこの度、年金受給者の一人になりました。入社してから41年間、年金の支払いを続けていながら今の
今まで年金の受取額が幾らになり、その手続きはどのようにすれば良いのか知りませんでした。お粗末な話で
大いに反省しています。しかし、私以上に年金の知識のない人が同僚にもたくさんいました。このように現役
世代にとって、年金は将来の生活に欠かせないものでありながら知らない人が多すぎるのです。
関心がない原因は色々あると思いますが、私のように遠い将来の事だと思っていること、また、政府が国民
の関心を集めるようなアピールをしてこなかったこと、そして何よりも私達自身が他人まかせであったことです。
自分の年金でありながら給料から天引きされ、そのお金がどのような流れで国庫に納まっているのか、まったく
関心を持っていませんでした。そして報道機関も今回の審議が始まるまで、あまり報道をしませんでした。また、
せっかく記事を載せてくれても制度の解説などが多く難しくて頭は混乱するばかりでした。
年金問題を私達から遠ざけているのは、その仕組みの複雑さです。今、各種年金を一元化しようという動きが
あります。また、国会議員の年金をどうするかという問題もあります。野党民主党は国会議員の年金はなくせば
良いと言っています。いずれにせよ早急に結論を出すべき問題です。
こんな議論をしている最中でさえ、出生率が下がり、また、年金未加入者が増え続けると、今、年金を支払って
いる人達が受給年齢に達したときには、受取額が激減してしまうという試算が出ています。年金は支払う人と
受け取る人のバランスの上に成り立っています。支払う人が少なくなれば、当然、受取額は少なくなっていきます。
(適切な資金運用の中で基金を増やすことが出来れば別ですが)
こんな事が分かっていて支払う人がいるでしょうか。ましてや固定した就職先を持たない人も増えています。
また、就職したくても就職できない若い人達が増えています。その上、年金受給者自身も年金の穴埋めにと
再就職しています。こういった事も若年者の就職先を少なくしている原因の一つです。
すべて、いつまでも先送りが出来るような問題ではありません。歴代の内閣がおざなりにしてきたことが、
重い附けになって今日に至っています。私達自身が現役の支払い者であったときに、もっと強く働きかける
べき事であったと反省しています。私達と同じ過ちを繰り返さないように、次世代の人にもっと関心を持って
自分たちの意見を国会審議に反映させて貰いたいと願っています。
追記
年金に関する国会の審議が終わりました。民主党と社民党が議場を退席するという状況の中で、政府与党
(自民党と公明党)によって可決採決されてしまいました。厚生年金の受給年齢引き上げとともに企業に対して
は65歳までの雇用の場を与えるようにという法案が出来ました。
またしても退職年齢が高くなり、若年者の雇用の機会が少なくなりました。悪循環なのです。雇用の場が大きく
なる時代であれば、若年者も高齢者も共に働く事が出来たのでしょうが、今の時代、少ない雇用の場を分け合う
ことになります。結局、企業としては法が定めた高齢者の雇用ということになるのではないでしょうか。
退職年齢が65歳になれば、老後を楽しみにしていた人にとっては選択を迫られる事になります。生活レベルを
落としてでも退職を選ぶか老後の楽しみを諦めて働き続けるか、どちらかと言うことになります。私の知る限りに
おいては、55歳を過ぎると肉体年齢、精神年齢ともに個人差が大きくなります。現役世代と同じように仕事を
やってのける人もいれば、とてもついていけないような人もいます。従って、雇用延長にも多種多様な仕事が
必要になるのではないでしょうか。今のように極度にスリム化している企業にそんな職場が作れるのでしょうか。
その上、65歳で定年になったとき、70歳までは5年しかありません。健康がどこまで保証されるのかその確約
はありません。幾ら丈夫な人でも70歳を越えれば行動にも制限があるでしょう。元気に動き回れる内にやって
おきたいことがたくさんある人には、本当に辛い選択を迫られる事になってしまいました。
2004年6月13日掲載
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