
高齢化が急速に進んでいる。それは農村についても例外ではない。特に離島や山間部、都市部から遠いところほどひどいようだ。
農村はあの手この手で若者を農村に呼び寄せたり、若者のUターン策をとっているが、いっこうにその効果は出てこない。
そんなわけでここ岡山県も少し県北の山間部に入ると、かっては棚田であったであろう田圃や畑が雑草に
おおい尽くされている姿を目にすることが多い。
いつからこんな姿になったのだろうか。先祖達が営々として開いてきた田や畑が、急速に失われつつある実状を見るとき、
日本の農業はこれからどうなっていくのだろうと、本当に心配になってくる。
この問題は、昨日今日に始まったことではない。日本が高度経済期に入った頃から、農村の若者は新産都市や
都会に出ていってしまった。それでも、その頃は若者を都会に送り出した親たちも若かったし、三ちゃん農業といわれても
小規模農業であれば十分やっていけた。しかし、ここに来て、その親たちも70歳を越えるような高齢者となり、
農村を支える基盤が根底から失われて来ている。どうすればいいのだろうか。
実は早くから、この事態は予測されていたし、何とかしなければという意見も、ことあるごとに叫ばれてきていた。
にもかかわらず、政府は何ら効果のある対策を打ち出すこともなく、半ば放置したままであった。
それは土地制度という手を着けることの難しい問題もあったであろう。
今日、4反や5反の田や畑では食っては行けない。ましてや機械の入らない山間部のような所では人力しかない。
こんな農業では後を継ぐものもいない。
遅まきながらの提言ではあるが、私から2,3意見を述べてみたい。
(1)農地の有効活用
まず、放置された田や畑を政府や地方自治体で買い取る、あるいは半永久的に借り受ける。
それを農業規模を広げたい人や、農業をやってみたい人に貸し与える。結局の所、自分の土地だ田圃だといったところで、
それは、その人自身や子や孫に与えられた権利であって、土地その物は誰のものでもない。地球自身のものなのです。
ましてや耕作する人もいなくなったような土地は只の荒れ地でしかありません。土地は、その力のある人が有効に
使うべきなのです。
(2)楽で楽しい農業を
農業はきつい。いくら機械化されたとはいえ機械を使うのも人間であり、すべてを機械がやってくれるわけでは
ありません。私もわずかばかりの土地を耕していますが、その維持管理は大変です。
そこで楽をして農業をやる。農業その物に喜びを見いだす。そんな農業をしてみたいものです。
最近、自然農法ということを耳にしたことはありませんか。福岡正信さんという方が自ら実践され、本も出しておられます。
四国の方です。福岡さんも親から引き継いだ田や畑を人から後ろ指をさされないように、篤農家を目指して頑張っておられたようです。
しかし、同じことの繰り返しの中で、これでいいのだろうか、もっと楽をして農業を出来ないだろうかと思いつき、以来、
試行錯誤の繰り返しの末、自然は自然のままに。農業も自然に任せたらいいということに、いき着いたと書いておられます。
しかし、凡人には雑草を見て何もせずにおられるような勇気がありません。
今後の農業を維持していくために、どうしたら老人でも、力のないものでも費用をかけずに農業がやっていけるのか、
真剣に国を挙げて研究してみる必要があると思います。幸いにも福岡さんの後に続こうとしている人も、だんだんに
出てきているようです。
(3)雇用の場を農業に
今日、重厚長大といわれた産業の多くが雇用力の衰退をきたしています。工場はコンピュ−タが管理したり、ロボットが
ものを作ったりしています。しかし、農業はそう簡単には行きません。人間の手を必要とする産業です。
工場ほどの労働生産性を上げられなくても、人間が最も必要とする食料を作る産業です。人間の手を必要としています。
新しい雇用を創出するといっても容易なことではありません。農業の就労率をもっと上げてもいいのではないでしょうか。
日本は多くの食料を外国に依存しています。本当にこのままで安心なのでしょうか。すべてをまかなうことは不可能でも、
いざというときの為に困らないくらいの食料は確保できるようにしておきたいものです。
一石三鳥とまでは行かなくとも何とかしなければと思う今日この頃です。
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