老人福祉を金儲けの道具にするな
先日、養護老人ホームでの殺人事件がありました。犯人はその施設で働いていた若者でした。
介護の資格も取得し、将来を嘱望されていた若者が何故こんな犯行に走ったのでしょうか。
本人自身に問題があったことは言うまでもありません。いわゆる「切れる若者」だったのかも
知れません。しかし、単純に本人だけを攻めるわけにはいかないような裏事情があるように思
えてなりません。
先日の報道では介護保険の不正請求が後を絶たないという調査結果が出ていました。残念
ながら我が岡山県もワースト10の中に入っていました。私の知る限りに於いて、おおよそ福祉
とは縁遠いような人が経営を行っているケースが少なくないようです。そう言う経営者は金儲け
のためにだけやっているのです。
従って、従業員の待遇もめちゃくちゃなようです。人手が足りないということを理由にサービス
残業はやらせ放題、中には給料さえ支払わないという経営者もいるようです。従業員が不満で
も洩らそうものなら怒鳴り散らすという暴力団まがいの経営者もいて、まったく話にならないよう
です。
そんな業者が認可を受けて、この種の仕事をしているのです。老人福祉は表向き格好良い
仕事のように見えていますが大変な仕事です。私の身近にも高齢者がいましたから良く分かり
ます。老人の体一つ動かすのも肉体労働です。排泄物の始末もしなくてはいけません。手足が
不自由な老人であれば、何から何まで全てをしてあげなければなりません。相手が大人だけに
余計にやっかいです。
こんな仕事をするからには、よほど献身的な気持ちを持っていなければ出来ません。人が人
を介護する、その仕事を金儲けのために利用するなどとんでもない話です。
殺人を犯した若者は勤務に不満を持っていたかも知れません。「切れて」犯行に及んだ罪を
本人だけの問題にすることなく、その背景を徹底的に暴いて貰いたいと思っています。これは
福祉の場合だけでなく医療の現場でも同じような事が言えます。相次ぐ医療ミスも一皮めくれば
後ろ暗い病院経営の実態が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
2005年4月20日掲載
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