タイムカプセル飛鳥

私達が、この地を訪れたのは、1900年でした。その当時は、以前から旅行ガイドに載っている程度の
遺跡しかありませんでした。当時、飛鳥池の調査が行われていました。その池の底から古銭や貴金属の
飾り、ガラス玉等が発見され、ここが官営の工房跡だったのではないかと騒がれていました。
その後、引き続き、その周辺の発掘が行われました。その際、水に関わる祭場と思われる大規模な
遺跡が発見されました。長い間謎とされてきた近くの山の酒船石は、その遺跡と密接に関連のあるもの
だったと言う事が明らかになりました。亀の形をした石造りの大きな器が発見され大騒ぎになりました。
そして今回更に大発見がありました。宮城の跡だというこの遺跡には何層にも遺跡があり、一番上の
層には前面に石を敷き詰めた大遺構が発見されたのです。一層目の保存状態が良いためこれを取り
崩してまで二層、三層目の調査をするには惜しいという話になっているそうです。トロイの遺跡が何世代
にも渡って築かれた遺跡だったという事とよく似ています。
飛鳥に行ってみれば良く分かる事ですが、古代からの遺物が至る所に点在しています。地上部に残された
これらの遺物から、その地下には全域にわたって大規模な遺跡が眠っているに違いありません。甘粕の
岡から見下ろす飛鳥盆地は、それだけで絵になる景色ですが、その地下にタイムカプセルのように飛鳥
時代の歴史が封じ込められている事を考えると、国民的遺産とも言うべきこれらの遺跡を何としても発掘し、
全てを明らかにしながら保存していきたいと思うのは私だけでしょうか。
大小の石を使ったこれらの遺跡は遠くから切り出した石を運んだと言われています。そのためには大きな
運河が必要だったようで、当時、大きな運河が築かれたのではないかとも言われています。今はひなびた
田舎になっていますが、飛鳥時代には壮大な古代都市が、この地には存在した事は間違いないようです。
2004年4月22日掲載
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