小事を生かして大事を殺すな!!

先の国会の証人喚問において鈴木宗男氏に鋭い質問を浴びせかけ注目された社民党の辻元清美議員が、秘書の給与を
詐取したと言うことで週間新潮に書き立てられ窮地に立たされています。昨日までの猟師が逆転して追われる立場となって
いるようにも見えます。昔から政治の世界は一寸先が闇だと言われていますが、正にその通りのような気がします。
かつて鈴木宗男氏も当時外務大臣だった田中真紀子氏に何かといちゃもんを付け、彼女に幾度となく悔しい思いをさせ、
ほくそ笑んでいた立場と似ていなくもないような気がします。本当に世の中というものは分からないものです。私は社民党員
でもなければ個人的な辻元氏の応援者でもありません。従って、彼女の弁護をするつもりは毛頭ありませんが、考えて
おかなければならないのは、鈴木問題と辻元題は本質的なものがまるきり異なるということです。そのことを念頭において
考えなければ事の本質を見誤ってしまうという事です。
週間新潮なる週刊誌が、どの潮流に依拠しているものかは分かりません。また意図的なものがあるのかどうかも分かり
ません。しかし、実にタイミングが良すぎるし、よしんば辻元氏に事実関係があったにしても、このタイミングに、この問題を
持ち出すというのは、いかにもわざとらしくはないでしょうか。自社の週刊誌を売らんがための手段としては、小事を生かして
大事を殺してしまうことになりはしないでしょうか。これは本来、マスコミの使命としてはあってはならないことではないかと
思います。(週間新潮がマスコミに値する週刊誌であるかどうかは分かりませんが。)
どこまでも卑怯な自民党は総理総裁である小泉氏の言うことも聞かず、鈴木氏の議員辞職勧告案を否決してしまい幕を
引こうと画策しています。そして辻元問題を好機とばかりに同列レベルで論じ、野党の出鼻をくじこうとしています。実に
姑息な手段だと言わなければなりません。彼らはこれ以上鈴木問題が白日の元にさらされ、彼ら自身の権益を放棄する
ようになることを恐れているのです。
この際だからこそ、野党は一致団結してこの不利な状況を押し戻して貰いたいと思っています。そうすることが民主党を
はじめとする野党各党が万年野党に終わるのかどうかを決する大きな分かれ目でもあると思っています。また、辻元氏
個人についても、この事件にめげることなく頑張って貰いたいと思っています。多くの良識ある国民は辻元さんを始め
鈴木問題で活躍した野党の皆さんを圧倒的に支持しています。小泉支持の多くは野党の応援団でもあることを忘れないで
欲しいものです。たとえ辻元さんの問題が解釈によっては法に触れることであっても、自民党議員のように私腹を肥やす
ためや権力を維持するための金ではないことは良く分かっています。堂々としておればよいのではないでしょうか。政治
には金はかかるものだということは良く分かっています。しかし、その金は与党が使う金と野党が使う金とではまるで
本質が異なるものだと思っています。
2002年3月24日掲載
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