6日目(7月20日・・・日本時間)

 いよいよ、ボストン滞在最後の日となってしまった。

午前中に、娘に聞いていた一個建て住宅が立ち並んでいる、高級住宅街に行ってみる。

アメリカ風のハイカラな建物と庭。庭にはリスがいたりして、いかにも閑静な住宅街といった所だ。

アメリカに来て感じたのは、街の中に緑が多いこと、これがずいぶんと見た目だけでなく、

居住環境を良くしているように思う。ここら周辺も街路樹と各家の庭が大変良く合っていて、

いい感じだ。時間が早かったせいか、誰も庭に出ていなかった。

アメリカらしい建物が並ぶ閑静な住宅街

 娘が迎えに来てくれるのを待って、ボストン市内のまだ行っていないところに行くことにする。

最初に行ったところはガードナー美術館だった。この美術館は全てが個人の収集品という事だが、

キリスト教関係のものが多い。日本のものもあるが、建物内の通路にあり、ほとんど人の目に付かない。

せっかくの展示品が生かされていない。キリスト教の歴史に興味のある人には、すばらしいものなの

であろうが、我々日本人には、その良さが今一つ理解できない。文化の違いだろうか。

すばらしかったのは中庭で、アンティークな置物と緑が良くマッチして、ランなどの花が咲き乱れ、

思わず足を止めて見入ってしまうほど。カメラを向けていたのは私達だけではなかった。

ガードナー美術館の中庭(個人の収集品を展示した美術館)

 美術館を後にして、ビーコンヒルへ。ここはボストンでも一番古い街並が残っているところ。

名前のとおり遠くからながめると大きな丘の上に立っている。煉瓦作りの建物が道を挟んで並んで

おり、現在もちゃんと人は住んでいる。鬱蒼と茂った並木と建物の織りなす雰囲気は、何とも言えない

良い雰囲気を作り出している。何かしら一世紀半ほど時代を逆戻りした感じだ。いい、実にいい。

この感じはとても写真では出せない。アメリカ合衆国も、この地域を町並み保存地区として保護している。

  

ビーコンヒルは小高い丘になっている。そこには煉瓦造りの古い町並みが続く。

アメリカ板京都と言った存在らしい。いわゆるお上りさんも、また、我々のような外人の観光客も多く、

みんな思い思いに建物や路地裏をバックに記念写真を撮っている。

 ビーコンヒルのまわりは土産物屋さんが軒を連ねている。遅い昼食をとり、ケネディの銅像の前に。

ここで記念写真。ここも観光スポットだ。あの元大統領ケネディは隣町、娘が下宿している

ブルックリンで生まれたそうだ。いわば、この辺はケネディのふる里なのだ。

  

左はハーバード大学など有名校が多いハーバード、右はケネディの銅像の前で

 晩は中華料理を食べ、一度ホテルへ帰る。帰り支度をして、シャワーを浴びローズマりーの家へ。

ここは娘が下宿しているところ。娘の他に、もう一人日本から来た女の子が下宿している。

そして短期下宿のイザベルがいた。彼女はスペインから来たOLで、長期休暇でアメリカに来ている。

いわばバカンス。とても30才代とは思えない若々しいかわいい女性だった。この日、下宿屋の

おばさんローズマリーは気持ちよく私たちを迎えてくれた。今は一人住まいだが、3人の子供がいる。

3人共すでに独立して、他の町に住んでいると言っていた。

 ローズマリーは学校の先生だったようで、退職後はピアノを教えたり、教会のボランティアをしたりと

忙しくしているようだ。古き良き時代のアメリカ映画にも出てくるような、良妻賢母型のお母さんだった。

しっかり者の、こんな人に娘を預かって貰っていれば安心だと思った。

ローズマリーを囲んで左からイザベル、家内、ローズマリー、娘

 この日は、お茶を飲み、アイスクリームをよばれ(アイスクリームはとても甘くてほとんど残してしまった)

そして、ローズマリーが先生時代に教えていたという日本の歌を歌って、アメリカ最後の楽しい夜となった。

夜も更けてきたので、くれぐれも娘をよろしくと頼んで失礼した。英語が出来れば、もっとあれこれと

話が出来、心が通じ合えたのにと残念でならなかった。

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