次の日は沖縄を一挙に北上することになった。米軍基地を道の左右に見ながらバスは走る。
道の両脇の緑地帯には街路樹として、南国らしく椰子の木が植えてあり、大きな実を付けていた。
この日の初めにはハブとマングースを闘わせたり、沖縄の民族芸能を見せる場所へも行ったのだが、
いずれも時間を気にしてばかりの駆け足見物で、あまり印象に残らなかった。雨は相変わらず
降ったり止んだりしていた。期待していたパイナップル畑見物は本格的な農場ではなく、観光用の
見せかけだけのもので、とうとう本格的な畑を目にすることは出来なかった。やはり観光中心と
なると、こういった見せ物的なものになってしまうのだろうか。その代わり、何処の土産物店に
入ってもパイナップルの試食は十分すぎるほどさせて貰った。現地で口にするパイナップルの味は
適当な酸っぱさと甘さがミックスして、とてもおいしかった。
沖縄の代表的な伝統芸能「エイサー」 太鼓のリズム良い音が心地よく響く そして、沖縄の観光地としてはとても有名な万座毛に行った。天気さえよければ沖縄らしい景観の
楽しめるところだ。遠くに、この後行く予定になっている海洋博記念公園が見えている。万座毛には
次から次へと大型観光バスが入ってくる。雨でぬかるんだ駐車場は満車状態だ。土産物店からは
ひっきりなしに客寄せの声がかかる。大変な賑わいだった。
万座毛を後にして、昼食を海洋博記念公園近くのレストランで済ませ、記念公園に着いた。
この頃からやっと雨も小降りになり、天気も回復し始めた。公園は実に広く、整備が行き届いていた。
特に沖縄周辺の伝統的な建物を、身分や地域別に再現していたのは珍しくもあり、印象的であった。
園内は亜熱帯の植物が生い茂り、ゆっくりと散策するには、もってこいのすばらしい景観と雰囲気だ。
記念公園からは海辺まで下りていけるようになっていて、珊瑚礁の岸辺をバックに写真を撮ったり、
時間的にも比較的ゆったりとした気持ちで、園内を楽しむことが出来た。
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沖縄海洋博記念公園にて 左は海岸線に降りてみたところ、右は沖縄郷土村の一角 海岸線には珊瑚礁の岩場が続く、郷土村は沖縄の民家等を復元展示している 海洋博記念公園を出て二日目の宿泊先であるホテルへ着いた。実に巨大なホテルだ。それでも
満室になるくらいの客がいる。客層も色々だった。外人もいれば、修学旅行生もいる。台湾からだろ
うか、それとも中国からだろうか、大きな団体も宿泊しているようだ。
ホテルに着いた頃から又雨が降り始め、海で泳ぐことが出来ず、結局ホテル内のプールでひと
泳ぎ。そして、ひと泳ぎした後、程良くおなかも空いたところで夕食。和洋食、沖縄料理、いずれも
バイキング形式だが、それぞれ客の好みに合わせて、いろんな食事が楽しめるようになっている。
これならリゾートホテルとして、長期に滞在しても飽きることはないようだ。ホテルの一角にはショッピ
ングスペースがあり、ブティックやクリーニング、写真の現像焼き付けの店等も入っていた。
夕暮れの海を窓越しに見ながらの夕食は別世界のようで、最高の気分だった。ゆったりとした時間
が流れてゆく。暮れなずむ南国の薄明かりの中で、椰子の葉が風に揺れている。
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左は沖縄の代表的な植物「ガジュマル」太く大きな根が無数幹から地面に下がっている 右の二枚は内地では見たこともないような南国の植物
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