釣り紀行 その6


山口県の柳井市から海に向かって車を走らせると大畠港に着く。
’99年5月、少し肌寒さの残る季節だった。漁港は閑散としたところだ。
同じ瀬戸内海とは言いながらも、倉敷周辺とは随分景色が違う。
宿に荷物を置いて、夕食までには少し早いので散歩に出てみる。防波堤の上では何人か家族連れなどが竿を出している。
バケツの中には大したものは入っていないようだ。やはり沖に出なくては釣れないのだろうか。
一晩民宿に泊まり翌朝船に乗って沖に出る。今回の目的の一つが関アジ、関サバだ。とは言ってもここから関までは
ずいぶん離れている。
港を出て一時間あまり、やっと目的地に着いた。この船はエンジンが大きいのでスピードがものすごい。そして、
それ以上にすごいのは自分の位置がすぐ割り出されるカーナビのような装置を持っており、目的地を決めて置けば
自動運転も可能な事だ。そして漁業探知器といった釣り船には欠かせないような近代装備ももちろん持っている。
目的地に着くと早速漁業探知器で魚の居場所を確認し、水深を教えてくれる。指示通り釣り糸を下ろせばよい。
この日、アジ、サバといった回遊魚は居るには違いないのだが、いっこうに引く気配がない。何度か場所を変えた後、
やっと一匹、自分の竿にアジが釣れた。アジ、サバと言ったものはこれ一匹だけだった。
あきらめて30分位港の方に引き返す。そして今度はメバルやギザミを釣ることにする。メバルは結構形がよい。
これはと思うような大物もいる。倉敷周辺では赤メバルと言ってはいるが、本当はカサゴ、そしてメバルが面白いように
釣れる。ギザミも数、形ともに良い。こうして少しずつ場所を変えながら釣った。
陸に近い場所に移動した頃から雨は本格的になってきた。釣り船の準備してくれたカッパを借りているのだが、雨は
容赦なく隙間から入り込んでくる。非常に寒い。結局、午後ほんの少し釣ってやむなく引き返す。
5人で釣った成果はまずまずといったところ。やはり同じ瀬戸内海でも随分違うようだ。倉敷周辺ではとてもこんなに
は釣れないだろう。仮に数は釣れたとしても今回のような大物は滅多にいないのではないだろうか。
船頭さんが「あお」といっていたメバルのすばらしく大きいこと。
久々に満足のいく釣りだった。山口まで運転してくれた仲間に心から感謝。山口までは山陽自動車道を通れば随分
早い。便利になったものである。
お世話になった釣り船
琴潮丸 船頭 佐藤忠雄 船舶電話 0834−84−0136(周南漁業無線局)
泊まったところ
海月(かいげつ) 0820−45−2422
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