友歩会「春の王子ヶ岳2005」
昼食後、満開の桜の花の下で記念写真を
染井吉野がほぼ終わり初夏を迎える季節が来ていた。恒例になっている今年の「友歩会の
花見」は珍しく雨のために中止だった。ここのところの異常気象では晴れ男や晴れ女の超能力
も通用しないらしい。従って、この日は久々の山歩きだった。この日は朝から穏やかなお天気
だった。
私は一足早く駐車場に着いて、みんなの来るのを待っていた。咲き残った染井吉野の向こう
には素晴らしい瀬戸内海の眺望があった。桜と瀬戸内海の景色を入れた写真をカメラに納め
るべく何回もシャッターを切っていた。そうしている内に予定より早くみんなが集まってきた。初
めての顔ぶれも幾人かいるようだ。
この日の集合場所は王子ヶ岳の山頂にあるレストハウス前だった。近くの駐車場に車を入れ、
再度レストハウスの屋上に上がってみた。感動は私だけのものではなく、みんなの心も動かし
たようだ。今日の山歩きはここにして良かったと思った。
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王子ヶ岳山頂のレストハウスからの景色(桜の向こうには雄大な瀬戸内海が広がっている)
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この日は空も海も青く澄んで美しかった。
染井吉野があらかた終わって白い花の桜が満開だった。
屋上で軽い柔軟体操をして目的地であるおもちゃ王国を目指して歩き始めた。道は舗装道路
だが交通量は少ない。車の走行の邪魔にならないように縦一列になって歩いた。少しなだらか
な下り坂だ。舗装道路のすぐ横は山の斜面になっていた。ここに小さなワラビが幾つも生えて
いた。この調子でもう一雨降ればもっとたくさん、もっと大きなワラビが顔を出すに違いなかった。
ワラビを見つけるとじっとしてはおれない連中ばかりだった。早速、歩くことをやめてワラビとり
に夢中になった。
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歩き始めて間もなく早速ワラビ狩りが始まった。
小さい花ながら菫は大変目立つ花である。この色が好まれるからだろうか。
山と山の間にはまるで桃源郷を思わせるような一角がある。人は住んでいるのだろうか。
この季節、山野草と言われるものには色んなものがあった。「こしあぶら」と言われているタラ
の芽とならぶ珍味もあった。むろんタラの木もあったが、こちらは、この地方でも良く知られて
おり、ほとんどの芽がもぎ取られていた。このままでは芽を吹くことが出来ず、枯れてしまうの
ではないかと思うほど徹底的にもがれている木もあった。
遠くにはツツジの花が新緑に彩りを添えていた。青葉若葉とツツジの赤、そして遅咲きの桜
の花、とても色彩豊かな山だった。こんな景色を道の左右に見ながら下り切ったところから少
し上り坂になった。あの固まって咲いている白い花は何だろう。近くまで行けば良く分かるのだ
が、この距離からでは判別は難しかった。桜の花のようにも見えるのだが、それにしては近くに
ある遅咲きの白い桜とは異なるようだ。疑問に思ったまま、この木が見える場所を通り過ぎた。
下から登ってきた一団はレジ袋いっぱいの大きなワラビを持っていた。どうやら一歩山に入
ればこんなワラビがたくさんあるようだ。「おもちゃ王国」は少し時間が早いのか人影は少ない
ようだった。しかし、この周辺のレジャーランドでの中では、親子ずれで賑わっているレジャー
施設だと聞いていた。親子ずれや私達世代のおじいさんやおばあさんに連れられた子供達が
入り口前に数組いた。今、駐車場に入ってきたばかりの車もいた。
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山の斜面には点々と山ツツジが咲いていた。この白い花は何だろう。桜ではないようだ。
ここでトイレ休憩を兼ねて一服した。歩くのをやめると少し肌寒さを感じるような気温だった。
今年はいつまでも本格的な初夏にはならないようだ。ここから動物王国までは一キロもないくら
いの距離だった。ツツジがきれいだというコマーシャル通り、途中の道には色鮮やかなツツジ
が咲き乱れていた。あの白い花は何だろうと思っていたのは、どうやら「うつぎ」だったようだ。
同じ姿形をした木が動物王国の駐車場でも満開だった。こんな海近くの山にも自生しているよ
うだ。
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薄黄色の丸い形をしたこの花は何という木だろう。その木の葉っぱには、こんな変形したものも。
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今を盛りのミツバツツジ、目の覚めるような美しさだった。そして谷間で見た白い花は、この花だったのではないだろうか。
サルトリイバラの花。この木はユリ科だと言うのだが、とてもそうは見えない。
時間の都合もあって動物王国には入らなかった。入り口周辺を外から眺めただけでここを離
れた。また、元来た道を引き返し、途中から下に見えた池の方に降りた。池の周辺の手入れは
良く行き届いていてお昼を食べるには最適の場所だった。池は周辺の景色を映し水は澄んで
いた。風のない穏やかな池の上には桜の花びらがたくさん浮いていた。
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ヤマモモの花、真っ赤な蕾がきれいだ。
私達は桜の木の下に腰を下ろした。そして、お弁当を開いた。暑すぎることもなく日射しが心
地よかった。ここで食事の後、記念写真を写した。こうして一時間ほどの休憩の後、再び歩き
始めた。同じ道を帰るのは面白くないからと途中から脇道に入ったのが間違いだった。道らしい
道は途中までしかなく、足元にはノイバラの蔓が絡んでいるような急な坂になった。出来るだけ
山頂を見失わないようにお互いに声を掛け合って山頂を目指した。すると人の踏み込むことの
ない山には大きなワラビが沢山生えていた。こうなると足元が悪いことなど忘れてしまいワラビ
取りに夢中になった。瞬く間に片手では握れないほどのワラビが取れた。ワラビを取りながら
少しずつ山頂を目指した。山頂に着けば元の道はすぐ下にあった。
駐車場まで戻ったが日は高く夕方までには時間は十分にあった。少し柔軟体操をして車で別
な駐車場に移動した。さすがに、この日は観光客が多かった。広い駐車場も割り込む隙がない
くらいいっぱいだった。出ていく人を待って車を停め、見晴らしの良い場所にみんなで移動した。
こうして、十分すぎるほど初夏の瀬戸内海の自然を満喫した一日だった。
2005年7月30日掲載
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