

5月2日、家内の母と私の母を連れて家内と4人で、春の森林公園に出かけた。
きっかけは、家内の母がミズバショウを見てみたいと言うことからだった。
又、家内は何回か森林公園には行っているが、ザゼンソウを見たことがなかった。
この日の天気は、前日から大荒れになると言っていたので、当日になるまで行こうか行くまいかと迷っていた。
朝、夜が明けてカーテンを開けてみると、すばらしい天気だった。風もなく穏やかな天気である。
早速、家内を起こし、両方の母に行くことにするからと電話。出発は天気が崩れることを予想して早めにした。
この日はラジオで盛んに天気が悪くなると言っていたせいか、人出は極端に少ないようだ。
学校が休みではないこともあるかも知れない。山陽自動車道も岡山道も中国縦貫道も 、いずれも停滞なしに目的地に到着。
それでも駐車場には、すでに20台近くの車が止まっていた。これで条件さえ良ければ、もっと多くのハイカーが来て
いたかも知れない。母親達は足が弱いので、山登りはしないで、公園内の散策にとどめることにした。
公園内には、日陰の場所に、ところどころ雪も残っている。カラ松の先の部分が薄緑色に見え始めている。
ブナはやっと新芽を吹きかけたところだ。タムシバの花びらが、まるでハンカチをぶら下げているように見える。
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左はタムシバの花(木蓮の仲間)、右は園内を流れる谷川 2000.5.2撮影 園内を流れる川には雪解け水が流れ、ヤマメが姿を見せ初めている。すべてが春に向かって動き始めている。
ミズバショウはこの日が見頃だった。純白がとてもきれいだ。足下のリュウキンカは朝日の中で金色の花のように
輝いて見える。何もかにもが春を待ち望んでいたかのように見える。
ザゼンソウは至るところから顔を出している。葉がまだ小さいので花の姿が隠れることなく、今が見頃である。
その姿は、うずくまっている子供のようにも見え、とても愛らしい。鶯やホオジロ等の野鳥たちのさえずりも賑やかだ。
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左がザゼンソウ、右はリュウキンカ 2000.5.2撮影 もみじ滝までは行けそうにもないので、オタカラコウ湿原でUターンをする。引き返す道は同じ道ではつまらないので
脇道を通ることにする。川の流れに沿った道縁にも、ザゼンソウやバイケイソウの芽吹きなどが見られた。
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左はバイケイソウの芽吹き、中はキンキエンコグサの花 、左は春まだ浅いオタカラコウ湿原 2000.5.2撮影 私たちが引き返し始めた頃から、山にかかり始めた霧は園内を白く閉ざしてしまった。山の変化は激しい。
霧がかかるとともに、少し肌寒くなってきた。すぐ先を歩く人の姿もかすむくらいである。
管理センターまで帰り、ここで一休みする事に。管理センターの中では暖炉がたかれており、暖かさが心地よい。
管理センターの中ではお茶のサービスがある。この地でとれた野草をお茶にしたものだ。私たちはここで食事をした。
心づくしのお茶を味わい、弁当を食べて森林公園を後にする。
母達も、春まだ浅い森林公園の景色を十分満喫したようだ。管理センターを出てみると、霧はより一層濃さを増したようだ。
帰りは奥津温泉方面に行くことにして、もときた道を引き返した。
来るときはさほどには感じなかったが、公園からふもとまで、早春から晩春にかけての全ての季節が見えるようなコースだ。
桜の花、ツツジの花、木々の芽吹き、農家の庭の見事なシャクナゲなど、それは夢のような景色だ。
奥津温泉までの道の左右も桜の花盛り、桜の花のとぎれるところは新緑がとてもきれいだ。
甌穴のあるところは雪解け水で水かさが増しており、大きな音を立てて流れている。まるで一服の絵を見ているようだ。
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左は奥津渓谷をバックに、右は奥津渓谷の流れ 2000年5月2日撮影 この日は温泉街も静かだった。新しく出来た道の駅でそばを食べ、土地のみやげを買って家路につく。
雨にもあわず、暑くもなく寒くもない申し分のない天気だった。天気が後押しをしてくれた楽しい春の森林公園だった。
2000年5月13日掲載
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