

平地では早くも夏の気配だというのに、森林公園は今が新緑の季節である。
苫田ダムの工事現場を抜け、山間部に入ると、標高が高くなるにつれて、緑は薄緑から白っぽい色に変わっていく。
今回(2000年5月21日)の友歩会は初めての参加者も加え、総勢21人となった。
先の5月2日に訪れた時には、ほとんどの木が芽吹き前であったが、今回は薄緑一色である。
今を盛りにと咲いていたザゼンソウやミズバショウも終わり、わずかに痕跡を残すのみとなっていた。
園内は春から夏に向かう植物達の足早な成長があちこちに見られる。
スミレやチゴユリといったかわいい植物が一斉に花開き、私たちを迎えてくれる。

熊押し滝の周辺も新緑が大変美しく、全身が緑一色に染まってしまいそうだ。
滝の周辺の小さな水たまりでは、モリアオガエルのオタマジャクシを見かけた。
私達全員は熊押し滝まで行動を共にして、そこから二手に分かれることにした。今回は初参加の人もいたり、
足を痛めた人もいたからだ。これらの人は登山は無理なので、園内をゆっくり散策して貰うことにする。
元気者は鳥取県との県境でもある山頂を目指すことに。
今回のコースは時間がないので、山頂の縦走はやめて、もみじ平から千軒平までのコースとする。
自然観察の方に時間をとられてしまい、一気には千軒平にまでは行けず、もみじ平で昼食にする。
もみじ平には避難小屋もありトイレもある広々としたところだ。
山頂のコースにはチゴユリやユキザサ等がたくさん咲いていて、ネマガリ竹も一斉に伸び始めている。

いつ来ても千軒平からの展望はすばらしく、近くの新緑と遠く霞む山々のブルーのコントラストがすばらしい。
高原を渡るそよ風は疲れた体に心地よい。初参加の女性三人も良くついてきた。
千軒平で体を休めたり、記念写真をとって下山する。

昨日の大雨で足下は大変滑りやすく、杖を頼りにおぼつかない足取りで山を下る。急な斜面は粘土質で大変滑りやすい。
途中、山頂を目指す人があえぎながら登ってくる。
私たちはブナ林を抜け、もみじ滝まで足を伸ばす。滝の近くでは、ヤグルマソウが木漏れ日の中で微妙な色合いを見せ、
大きな葉を広げている。花開く日も、もうすぐだ。

私たちは約束通り管理棟で午後3時過ぎに合流し、早々に引き上げる。この時間でも次々に訪れる人があり、
大変な賑わいだ。天候に恵まれたせいか人出も多く、観光バスも何台か来ていたようだ。
私たちは体が染まるほどの新緑を体いっぱいに浴びて、新鮮な山の空気を胸一杯に吸い込んみ、思い出をいっぱいに
詰め込んで森林公園を後にした。

倉敷から公園までは約2時間弱、時間的には大変近い自然を満喫出来る場所である。
時間があれば、奥津温泉まで足を伸ばして汗を流すのも良いだろう。
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